
花粉症・アレルギー性鼻炎の原因と症状
くしゃみが続けて出る、鼻水が透明でさらさらしている、目のふちを何度もこすっている——そうした様子が同じ季節に毎年繰り返されているなら、かぜではなくアレルギー性鼻炎かもしれません。
アレルギー性鼻炎は、体がスギやヒノキの花粉、ダニやハウスダストといった特定の物質(アレルゲン)を異物と認識し、鼻の粘膜が過敏に反応することで起こります。花粉が原因の場合は「花粉症」、ダニやハウスダストが原因の場合は一年を通じて症状が出やすい「通年性アレルギー性鼻炎」と呼ばれます。
かぜの鼻水が数日でピークを迎えて落ち着いていくのに対し、アレルギー性鼻炎は原因となるアレルゲンに触れている間、症状が続くのが特徴です。花粉症であれば飛散している数か月間、ダニ・ハウスダストが原因であれば季節を問わず症状が出ることがあります。
代表的な症状は次のとおりです。
- 続けて出るくしゃみ
- 水っぽく透明な鼻水
- 鼻づまり(口呼吸になる、いびきをかくなど)
- 目のかゆみ・涙目・充血
- のどや耳の奥のかゆみ
鼻水や鼻づまりが2週間以上続く場合や、毎年同じ季節に同じような症状を繰り返す場合は、アレルギー性鼻炎の可能性を考えて検査を検討する目安になります。
原因アレルゲンを確かめる検査
診断は、症状の経過を伺うことと、鼻の中の粘膜の状態を診察で確認することが基本になります。典型的な症状と鼻粘膜の所見がそろっていれば、その時点で臨床的にアレルギー性鼻炎と判断し、治療を始めることもあります。
当院ではアレルギー疾患の診断には基本的に血液検査を参考にしません。数値が高いことと症状の強さが必ずしも一致するわけではないためです。ただし、舌下免疫療法をご希望の場合は、スギ花粉・ダニへのアレルギーが確認されていることが治療を始める条件となるため、治療に対応した連携病院で血液検査(特異的IgE抗体検査)による確認を行っていただきます。
症状を抑える治療(薬物療法)
治療の中心は、原因に触れる量を減らす環境対策と、症状を抑える薬物療法です。症状の強さや年齢によって、使う薬の種類や組み合わせが変わります。
| 薬の種類 | 主な特徴 | 使える年齢の目安 |
|---|---|---|
| 抗ヒスタミン薬(内服・点眼・点鼻) | くしゃみ・鼻水・目のかゆみを抑える。眠気の少ないタイプが中心 | 生後6か月頃から使えるものがあります |
| 点鼻ステロイド薬 | 鼻の粘膜の炎症を抑え、鼻づまりへの効果が高い | 3歳頃からを目安にしています |
当院で処方する薬の種類や量、内服薬と点鼻薬を組み合わせるかどうかは、診察でお子さまの症状と年齢を確認したうえで決めます。
- 10日以上続けて使うと、効果が切れたあとにかえって鼻づまりが悪化するリバウンド現象(薬剤性鼻炎)が起こることがあります。
- 症状が長引くときは市販薬だけで様子を見続けず、診察でご相談ください。
花粉症シーズンの対策
花粉が飛び始めてから薬を使うより、飛散が始まる前から内服を始めたほうが、症状が軽く済むことがあります。毎年症状が出る時期の目安は次のとおりです。
| アレルゲン | 主な時期 | 対策の目安 |
|---|---|---|
| スギ花粉 | 2月頃〜4月頃 | 飛散前からの内服開始、外出時のマスク・眼鏡 |
| ヒノキ花粉 | 3月頃〜5月頃 | スギ花粉の時期に続けて対策を継続 |
| ダニ・ハウスダスト | 一年を通じて | こまめな換気・掃除、寝具の管理 |
薬による治療とあわせて、日常生活の中でアレルゲンに触れる量を減らす工夫も症状を軽くする助けになります。
- 外出時はマスク・眼鏡を着用し、花粉情報で飛散量が多い日は外出を控えめにします
- 洗濯物や布団は室内に干す、または部屋干し用のカバーを使います
- 帰宅後は玄関先で上着の花粉を払い、手洗い・洗顔・うがいを済ませます
- 寝具・カーペットのダニ・ハウスダスト対策として、こまめな掃除機がけを行います
根本的な治療を目指すなら舌下免疫療法
薬を使っても毎年同じように症状を繰り返す場合や、薬の量を増やしても十分に抑えきれない場合は、アレルギー体質そのものに働きかける舌下免疫療法という選択肢があります。原因となるアレルゲンのごく少量を体に取り入れて、少しずつ慣らしていく治療です。
対象になるのは、スギ花粉またはダニ(ハウスダストダニ)へのアレルギーが確認されているお子さまです。この確認は治療に対応した連携病院で行います。ヒノキ花粉やその他のアレルゲンが原因の場合は対象外で、開始できる年齢や時期にも制限があります。数年単位で毎日続ける治療のため、対象条件や治療の流れは下記のページで詳しくご案内しています。
よくあるご質問
舌下免疫療法をご希望の場合に紹介先の病院で行う血液検査には、決まった年齢の下限はありません。当院での診察のなかで、ご希望のタイミングをご相談ください。
血管収縮薬を含む市販の点鼻薬は、小児では使用を中止してください。10日以上の連用でかえって鼻づまりが悪化するリバウンド現象が起こることもあります。症状が長引く場合は自己判断で使い続けず、受診をご検討ください。
花粉が飛び始める前から抗ヒスタミン薬を始めると、症状が軽く済むことがあります。毎年症状が出る時期が分かっている場合は、飛散開始の少し前に一度ご相談ください。
対象はスギ花粉またはダニのアレルギーが血液検査で確認されている場合に限られます(確認は紹介先の連携病院で行います)。ヒノキ花粉やその他のアレルゲンが原因の場合は対象外です。詳しい対象条件は「舌下免疫療法」のページでご案内しています。
初めての場合はどちらでも構いません。症状が2週間以上続く、毎年繰り返すといったときは、一般の診療時間内に小児アレルギー科としてご相談ください。
院長 井口 正道
保有資格・所属学会
- 日本小児科学会 専門医
- 日本アレルギー学会 専門医
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