
思春期ニキビとは
鏡を見る回数が増えた、写真に写るのを嫌がるようになった——お子さまの肌の変化に気づいて受診されるご家庭は少なくありません。本人からはなかなか言い出しにくいことも多いようです。
思春期ニキビ(尋常性痤瘡)は、小学校高学年頃から高校生にかけて多くみられる皮膚の状態です。成長にともなうホルモンバランスの変化で皮脂の分泌が増え、毛穴に皮脂や古い角質がたまって詰まることで、赤みや炎症を伴うニキビができていきます。
大人になってからできるニキビは、あごやフェイスラインなど皮脂の少ない部位にも広がりやすく、生活習慣やホルモンバランスの乱れが関係しますが、思春期ニキビは額や鼻まわりなど、もともと皮脂の分泌が多い部位に集中してできやすいという違いがあります。
思春期のお子さまの診察では、肌の状態だけでなく、本人がどれくらい気にしているかにも目を向けながら診療を進めます。
思春期特有の悩みと自己流ケアの注意点
- 気になって一日に何度も洗顔してしまう
- 指や爪でニキビを押しつぶしたり、触ったりしてしまう
- 前髪や襟足で患部を隠し、摩擦や蒸れで悪化させてしまう
- 大人用の市販薬をそのまま使ってしまう
思春期のニキビは、見た目の変化そのものだけでなく、友達や先生に気づかれたくない、家族にも相談しづらいという悩みにつながりやすいテーマです。本人が誰にも言えないまま、自己流のケアで対応しようとして、かえって悪化させてしまうこともあります。
洗いすぎは皮膚の乾燥を招き、刺激となって悪化することがあります。自己流のケアを続けるより、早い段階で受診いただくことで、跡が残りにくいよう治療を進めやすくなります。
治療の選択肢
思春期ニキビの治療は、症状の程度に応じた外用薬によるケアが中心です。炎症の広がり方や肌の状態をみながら、必要な治療を判断します。
| 症状の程度 | 主な特徴 | 治療の考え方 |
|---|---|---|
| 軽度 | 白ニキビ・黒ニキビが中心で、赤みは目立たない | 毛穴の詰まりを改善する外用薬や、日々のスキンケアが中心 |
| 中等度 | 赤みや炎症を伴うニキビが増えてくる | 炎症を抑える外用薬を追加し、経過をみながら調整 |
| 重度 | しこりや膿を伴い、跡が残りやすい状態 | 内服薬の使用や、専門的な治療が必要かどうかを診察で判断 |
上記はあくまで目安です。実際にどの治療が適しているかは、肌の状態を直接拝見したうえでご案内します。
市販薬を試しても改善がみられない場合や、跡が残りそうなほど悪化している場合は、自己判断で様子を見続けず、早めの受診をご検討ください。
おうちでできるケア
治療とあわせて、毎日のスキンケアを見直すことも、ニキビを悪化させないために大切です。
- 洗顔は1日2回程度を目安に、ゴシゴシこすらずよく泡立てて洗う
- 洗顔のあとは保湿剤で肌の乾燥を防ぐ
- 日焼け止めはニキビ肌に配慮した処方のものを選ぶ
- 前髪や髪の毛先が患部に触れないよう工夫する
- 睡眠不足や偏った食事を避け、生活リズムを整える
ケアを続けても数週間で変化が見られない場合は、自己判断で様子を見続けず、外用薬による治療の相談に早めにお越しください。
受診の目安
多くの思春期ニキビは、外用薬によるケアで少しずつ落ち着いていきますが、次のような様子があるときは、一度ご相談ください。
- 市販薬を1か月ほど使っても、赤みや炎症が引かない
- しこりのように皮膚の内側にニキビができている
- 顔だけでなく、胸や背中にも広がっている
- 色素沈着やクレーターなど、跡が残りそうな変化が出てきている
よくあるご質問
成長とともに落ち着いていくことが多いですが、自己流のケアで悪化させてしまうと、跡が残ることがあります。自然に治るのを待つより、早めの受診をおすすめします。
小学校高学年頃から高校生までのお子さまを対象に診察しています。肌の状態や本人の気にしている程度にかかわらず、気になったタイミングでご相談いただけます。
思春期ニキビ(尋常性痤瘡)の診察・治療は保険診療の対象です。マイナ保険証または資格確認書をお持ちください。
洗顔だけでは、皮脂の分泌自体を抑えることはできません。日々のスキンケアに加えて、炎症を抑える外用薬を組み合わせることで、改善しやすくなります。
医師 井口 真帆
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